ホワイトフェイスは黄色い色素を持たないため，ノーマル種から黄色と頬紅を取り除いたイメージです。このホワイトフェイスは黒い色素は持っているので，黒い色素を茶色に変えるシナモン遺伝子を組み合わせることによって，シナモン色を基調としたホワイトフェイスが誕生することになります。これがホワイトフェイスシナモンです。上掲の写真では色調がはっきりしませんが，実際に見るとシナモン色が判別できます。

　ホワイトフェイスシナモンの作出はそれほど困難ではありません。なぜなら，ホワイトフェイスが常染色体上の遺伝であり，シナモンが性染色体上の遺伝であるからです（性染色体上の遺伝子を組み合わせることは少々困難）。とはいうものの，ホワイトフェイスとシナモンをペアリングすればよいというほど単純ではなく，やはり遺伝の知識を活用しながら，スプリットをうまく利用しなければなりません。

　スプリットを活用するには遺伝子の情報をきちんと管理しておく必要があります。スプリットは色変わり遺伝子を隠し持っている個体ですから，外見上からはどのような遺伝子を隠し持っているのかが判別できません。したがって，どのような遺伝子をもったペアから生まれてきた雛であり，どのような遺伝子の組み合わせをもっている可能性があるのか，これらの情報は継続して管理する必要があるのです。