パールは配色の変化によって生じた変異種です。カラーパターンの変化に起因する変異種にはパールの他にパイドがありますが,両者の外観は大きく異なっています。パイドが身体全体に大きく斑が入るのに対して,パールには羽の一枚一枚に黄色(ホワイトフェイスでは白)の斑点が入っています。上掲写真をご覧ください。翼にパールの特徴が良く現れていると思います。
パールの模様には個体差が大きく,ぼんやりと水玉模様が浮かび上がっている印象のものから(上掲の写真はこのタイプ),斑点が大きく,水玉模様というよりむしろ灰色の縁取りがなされているように見えるものまで,実に多様な模様を見せてくれます。どのような模様が好まれるのかということになると見る人の感性によるわけですが,品評基準などでは強くはっきりとした模様が出ている個体に高い点数がつけられるようです。
パールには大変特殊な特徴があります。それは,オスは成長するにしたがってパール模様が消えるというものです。このような現象は,成長に伴ってメラニン色素が増え,その結果パール模様が隠されてしまうことによって起こるとされています。この特徴はオスに固有のものですから,パールの雌雄判別は比較的容易にできることになります。
なお,パールは性染色体上の劣性遺伝であることが知られています。したがって,常染色体上の遺伝子と組み合わせることが容易にでき,パールパイドやホワイトフェイスパールなどは最近よく見かける品種だといえます。もちろん性染色体上の遺伝子と組合わせることも不可能ではなく(ただし,より高度な遺伝の知識が必要です),ルチノーパールやシナモンパールなども存在しています。