手乗りオカメインコを育てましょう

 

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【オカメインコは手乗りになりますか?】

 はい,オカメインコを雛の時から育てると,大変良い手乗りになります。丈夫な雛を入手し適切な管理を行えば,手乗りオカメインコを育てることはそれほど難しいことではありません。しかし,セキセイインコや文鳥と同じような育て方ではうまくいかないことが多いものです。オカメインコの雛を育てるにはそれなりのコツがあるのです。
 もっとも,これから生き物を飼おうとしているわけですから,きちんと責任もって世話をする心構えを持ってください。オカメインコを良きパートナーとして,豊かな生活を送っていただきたいと思います。

【丈夫な雛とはどんな雛ですか?】

 市販されている雛には国産のもの(地子)と輸入されたものとがあります。国産のものは値段が高いのですが丈夫な個体が多いようです。これに対し,輸入されたものは大変安いのですが弱々しいものが少なくありません。国産が良くて輸入が悪いとは一概には言い切れませんが,特に初心者の方などは国産の雛を探してみてください。
 しかし,国産だからといって全てが強い個体であると考えてはいけません。丸々と太っており,餌を良くねだり,しっかりとした糞をしている個体を探しましょう。また,目の周りの炎症や鼻水は出ていないか,両足にしっかりと力が入っているか,下痢をしていないかなど,細かな点も注意しておきましょう。

【国産の雛はどこで入手できますか?】

 ショップによっては国産かどうかを明示しているところもありますし,こちらから質問をすればきちんと答えてくれる場合が多いと思います。ですから,このようなショップで購入すると良いでしょう。
 この他には国内のブリーダーさんから直接購入する方法もありますが,一般的とはいえません。また,自家繁殖させたオカメインコの里親を捜している方もいらっしゃいますので,そのような方から譲っていただく方法もあります。

【白っぽい糞をしていても大丈夫ですか?】

 幼い雛は白っぽい糞をするのが普通です。腸内細菌のバランスが整っていないからだといわれています。下痢などしていなければ心配する必要はありません。

【外見上は全く問題ないのですが・・・】

 雛を入手したら,まずは動物病院で健康診断を受けましょう。そ嚢に異常はないか,糞に異常はないかなど,外見からでは判断できない部分まで検査をしていただきます。問題が発見された場合は速やかに治療をしなければなりません。お医者さんの指示に従って管理をしましょう。

【温度管理はどうすればよいでしょうか?】

 雛はまだ羽毛が生えそろっておらず,自らの力で体温を保持することが苦手です。したがって,温度管理は最も重要なものの一つといえます。
 温度管理の目安は30度前後ですが,この数字を絶対視してはいけません。雛の様子を注意深く観察して,快適な温度を保つようにします。低い温度で管理していると,消化不良を起こしたり風邪をひくなど,様々なトラブルが発生してしまいます。冬場は十分な加温に努めるのはもちろん(保温方法については「病鳥看護FAQ」を参考にすればよいでしょう),ショップから自宅までの温度管理にも気をつけたいものです。夏場ならクーラーを控え目にしましょう。
 なお,複数の雛を一緒に育てている場合は,雛同士がお互いを温め合うので,温度管理がしやすくなります。このような案も検討してみてください。

【どのようなケージを利用して雛を育てるのですか?】

 ペットショップでは手乗り雛を育てる際に利用するケージが売られていますが,オカメインコには小さすぎることがあります。したがって,小動物用のプラスチックケースなどを利用する方が多いようです。あるいは,ハムスター用の小型ケージを利用したり,段ボール箱も利用できます。また,保温材としては,新聞紙やキッチンペーパーなどを利用すればよいでしょう。

【粟玉をふやかしてあげていれば大丈夫ですか?】

 オカメインコに雛には粟玉だけの差し餌は好ましくありません。もう少し栄養分を高める必要があります。
 最近ではパウダーフードが普及しています。有名な商品にはラウディーブッシュ社のフォーミュラー3がありますし,その他のメーカーからも同じような商品が発売されています。とりわけフォーミュラーはオカメインコをもとに研究されており,かなり理想に近い形で栄養の補給をすることができます。パウダーフードは専用の器具によって給餌します。
 粟玉を使いたい場合には,不足している栄養分を補う必要があります。従来は,青菜とボレー粉をすり鉢ですり,さらに市販の添加剤やビタミン剤などを加えるが一般的でしたが,このような差し餌でも栄養的には不十分です。むしろ,パウダーフードを添加剤として使用するのが簡単でよいでしょう。
 ただし,粟玉とパウダーフードを混合して与えると食滞になるという報告があります。この場合には多少水分を多めに調整してください。こうすることによって,差し餌が固まることを防ぐことができます。なお,フォーミュラにも新製品がでており,パウダーフードも改良が進んでいるようです。

【雛の成長具合を確認する方法はありますか?】

 体重を継続して計るのが一番簡単です。差し餌の前後で体重は変化してしまいますが,同じ条件下で毎日計測し,記録しておくのがよいでしょう。折れ線グラフなどにすれば見やすいですね。また,糞の量にも気をつけておいてください。食事料が減少すると糞の量が端的に減少しますので,糞の量から食事料を推測することができます。

【雛が糞を食べてしまうのですが・・・】

 これは珍しいことではありません。一説によれば,腸内細菌の不足を補うために排泄した糞から再び菌を体内に取り入れているともいわれています。また,ビタミン不足との解釈もあります。いずれにせよ,雛の糞食にはあまり神経質にならなくても良いでしょう。

【差し餌から酸っぱい臭いがしていますが・・・】

 差し餌の残りをケージの中に入れておく方がいますが,これは感心しません。水分を多く含んだ差し餌は腐敗しやすく,それを雛に食べさせるのは好ましいこととは言えないのです。差し餌はその都度作り直すのが原則です。

【雛がなかなか差し餌を食べてくれません。】

 差し餌の温度は人肌程度が目安となりますが,雛の食いが悪い時にはもう少し温度を高くしてみましょう。多くの場合,そうすることによって雛の食欲が増すのです。差し餌は作ったそばから冷えていきますので,冷めないように湯煎をするという方法もあります。

【いつまでたっても差し餌を欲しがるのですが,どうしたらよいでしょう?】

 一人で餌を食べるようになる時期には個体差がありますが,あまり長く差し餌を続けることは好ましいとは言えません。通常なら,生後1ヶ月半程度で一人餌になるはずです。2ヶ月を過ぎでも差し餌ばかりを欲しがるような場合,徐々に差し餌の回数を減らしてみたり,1回あたりの量を減らすなど,自分で餌をついばむ機会を与えてやる必要があります。ただし,全く差し餌を切らしてしまうと雛が餓死するおそれがありますので,様子を見ながら慎重に餌の切り替えをしていきます。

【雛が急に飛び立ち,窓にぶつかってしまいました。】

 雛が成長してくると,徐々に羽ばたきの練習をし始めます。そのうちプイッと飛び立ってしまうことがあります。まだまだ飛行が下手な雛はどこに飛んでいくかわかりません。窓はもちろん,必ずカーテンを閉めてから雛と遊んであげましょう。ドアも閉め切っておくのが賢明です。

【雛とどの程度遊んであげるのがよいのでしょうか?】

 雛鳥は餌を食べ,寝て,そしてまた餌を食べて寝る,この繰り返しで成長していきます。ですから,小さいうちは遊びも程々にして,むしろ身体を休めさせてあげましょう。大きく成長し,色々なことに興味を持ち出すようになってからは,時間を決めて遊んであげるようにします。差し餌で育てた雛であっても,成長してからほったらかしにしていては人には慣れません。


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