動物病院に行きましょう

 

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【オカメインコも病気になるのですか?】

 オカメインコは比較的丈夫な鳥です。しかし,様々な病気にかかるのも事実です。人間がペットとしてオカメインコを飼っているわけですから,思いもよらぬ病気にかかったり怪我をしたりすることもあるでしょう。
 とりわけ雛は病気に対する抵抗力が弱く,より慎重な対応が必要になってきます。初めての換羽が終了するまでを一つの目安にすると良いでしょう。寄生虫に冒されていたり,細菌や真菌(カビ)に感染していることが少なくなく,これらが致命的なダメージを与えることがあります。ですから,手乗り用の雛を購入された際には,できるだけ早く健康診断を受けさせると良いでしょう。早期に発見できれば,それだけ治療の効果も期待できます。
 また,雛ではなくとも新しく鳥を購入された際には,同様に健康診断を受けることが望ましいでしょう。新しい鳥の健康が把握できるばかりではなく,その鳥による他の鳥への病気感染を未然に防ぐことが可能だからです。

【オカメインコは動物病院で診察してもらえるのでしょうか?】

 オカメインコが病気になったり怪我をした場合には,素人療法に頼ることなく,動物病院で診てもらわなければなりません。最近では飼鳥の医学も急速に発展しており,動物病院に小鳥を連れていくことは何ら恥ずかしいことではありません。
 とはいうものの,全ての病院で小鳥の診療が可能かというと,残念ながらそうではないのが現状です。したがって,小鳥を飼育するにあたって,小鳥の治療ができる動物病院をあらかじめ探しておくことは不可欠な作業なのです。

【主治医をあらかじめ決めておくべきだと聞いたのですが,どういうことでしょう】

 急な病気などに直面すると,我々飼い主は気が動転してしまい,適切な判断ができなくなることが少なくありません。そこで,そのような非常事態に陥る以前から,信頼できる獣医さんを見つけておく努力が必要になってきます。
 病気になってから病院を探すのではなく,健康時に健康診断を受けておき,獣医さんとの間に信頼関係を築いておくのが有効です。もし今後ともお世話になろうと思ったならば,気になることはきちんと聞いてメモしておきましょう。急患時には診療時間外でも見ていただけるのか,どこに連絡を入れたらよいのかなど,先生とコミュニケーションをとるよう心がけましょう。

【健康診断とはどのようなものですか?】

 次のような内容で健康診断をお願いすればよいでしょう。
  1 触診や視診による各種の診断
  2 顕微鏡による糞の検査
  3 顕微鏡によるそのう液の検査
 このような検査で全ての病気が発見できるわけではありませんが,とても大きな効果が期待できます。費用も数千円が一般的ですから,是非とも受けさせたいものです。

【ある動物病院でオカメインコの健康診断を拒否されました。どうしてでしょう?】

 獣医さんにも専門分野があるのです。動物といっても,犬や猫,小鳥,爬虫類,魚類,はたまた畜産動物など,多種多様な種類が存在しています。これら全てを一律に診療するのはとても難しいだろうと容易に想像がつくでしょう。ですから,小鳥の診察を断られても,ある意味では仕方のないことと考えざるを得ません。
 一般的には,動物病院といえば犬や猫をメインに取り扱っているように思います。しかし,最近では小鳥に診療をしていただける病院も確実に増えてきているようです。あきらめずに他の病院にあたってみましょう。

【オカメインコを診療してもらえる病院がみつかりません。】

 たとえば,タウンページで近所の動物病院を調べ,オカメインコの診療が可能かどうかを片っ端から聞いてみましょう。その際,診療費について相談してもかまいません。近所のショップに紹介してもらったり,獣医師協会などに問い合わせてみるのも良いでしょう。また,インターネットなどでも小鳥を診てもらえる動物病院が紹介されています。JCCでも,実際に会員さんが利用している動物病院情報を公開しますので,これらの情報を総合的に活用してみてください。

【動物病院には車で行くのでしょうか?】

 車で連れていけるのであれば,この方法が良いでしょう。自動車で行っても大丈夫かどうかをあらかじめ問い合わせておくことも忘れないでください。普段から生活しているケージごと病院に持っていけば,獣医師から様々なアドバイスがもらえ,大変役に立ちます。また,運搬中の温度管理もやりやすく,この方法がもっとも適していると思われます。
 もちろん,公共交通機関を利用したり,タクシー利用も可能でしょう。そのような場合には他の方への迷惑にならないよう,小さなキャリーでオカメインコを運びましょう。また,空調が強すぎることがありますので,運搬中の温度管理に十分注意することを忘れてはいけません。

【運搬中の保温の方法を教えてください】

 ペットキャリーを紙袋などに入れ,その中に何らかの熱源を用意する必要があります。たとえば,使い捨てカイロを入れたり(酸欠状態にならないように注意してください),お湯をペットボトルなどに入れタオルでくるんだり,簡便的には自動販売機で暖かい缶コーヒーを買って入れても良いでしょう。
 ただし,やけどを起こさせたりすることのないように,常に注意を払うよう心がけてください。鳥を直接暖めるのではなく,間接的に保温するのがよいでしょう。

【現在かかっているお医者さんを信頼できません。】

 我々は素人ですから,基本的にはお医者さんを信用して治療を委ねることになります。しかし,これだけでは十分とはいえません。飼い主と獣医さんとの間で信頼関係を構築すするよう,お互いの努力が必要になってきます。
 まず,我々飼い主は,専門知識は無理だとしても,一般的な病気に関する知識を学んでおくべきです。そのうえで,もしも先生の治療に対して不信を抱くことがあれば,その場その場で解決しておかなければなりません。疑問を繰り越していては不信感が増すばかりです。
 もちろん,獣医さんも患者の疑問に答えたり,治療内容をできるだけ詳しくかつ平易に解説したり,投薬時の注意や副作用を理解させるなど,情報提供に心がけてほしいものです。
 どうしても信頼がおけない場合には,転院も考えてみましょう。医療技術のみならず,先生の人柄によって信頼関係が左右されることも多く,これは致し方ないことだと思います。一人で判断できない場合には,友人や他の飼鳥仲間と相談して,冷静に判断することが大切です。

【現在お世話になっている病院の治療方法が正しいのかどうかわかりません】

 このような不安は多くの方が持っているだろうと思います。仲間と情報交換をすればするほど,現在の治療方法に疑問がわいてくることもあるでしょう。
 まず最初に,獣医さんの治療方針はそれぞれに異なっていて当然であることを認識しましょう。 ごく基本的な医療知識についてはほぼ共通の認識を持っているとしても,具体的な治療方法に「最高・最善の一策」が常に存在しているとは限りません。
 同じような症状の病鳥を比較して,「A病院ではXという手法を用いて完治したのに対して,B病院ではYという手法を用いた結果残念なことになった」ということもよくあることですが,
 これだけをもって病院の善し悪しを語るのは困難という他ありません。
 つまるところ,もっとも重要になってくるのは,みなさんが現在の獣医師を信頼し良好な関係を構築できるかどうかという一点に集約されます。

・先生は全力を尽くして治療に当たってくれましたか?
・小鳥の治療に慣れていない先生であっても,文献を調べたり,他の先生と連絡を取り合いながら治療してくれましたか?
・みなさんの質問・疑問のみならず,不安な気持ちを察して適切なアドバイスをしてくれましたか?

 いかがでしょう。これらの項目を十分に満たしている先生は信頼するに足ると考えて良いように思います。信頼関係は,治療の結果だけではなく,治療プロセスをも含めて構築
されるものなのです。これは,飼い主と獣医師の密接なコミュニケーションが大切だということにも関係していることは,もうおわかりでしょう。
 もっとも,信頼関係の構築にあたっては,患者サイドにも注意すべき点があります。 しっかりとした予備知識を蓄積しておいたり,先生と適切な態度で接するよう心がけたりする事は大切なことです。また,病院は病気を完全に治療してくれるところなのではなく,治療のお手伝いをしてくれる所なのだと理解しておきましょう。つまり,患者と先生が一体となって病鳥の治療にあたることが大切なのです。

【オカメインコに注射はできますか?】

 危険性(ショック死など)が伴うようですが,安全性が低いというわけでもないようです。とはいえ,何の説明もなしにいきなり注射を打つような病院があるとすれば感心しません。獣医師から注射の危険性が十分に説明され,かつ飼い主の了解が得られた場合にのみ,注射による治療が行われるのが適切だと考えています。

【病院に行くといつも入院を勧められますが,これは普通ですか?】

 先生の治療方針は千差万別ですが,オカメインコを前提とするなら,入院を必要とするような治療はそれほど多くないと思います。
しかし,これはあくまでも一般論の範囲を超えないという点には注意しておかなければなりません。入院させることが全て悪いというわけでは決してないのです。
 入院させるにはもちろん費用がかかります。手乗りのオカメインコなら,飼い主に会えない寂しさでシュンとなってしまうかもしれません。その反面,病状に応じた適切な治療が迅速に施されるということは大きな利点です(先生の自宅と病院が隣接している場合には,この利点はより大きくなります)。 温度管理や酸素室での治療など,自宅ではなかなか難しいことでも可能になってきます。
 入院が必要である理由をきちんと説明してくれ,それに納得できるようなら入院を考えてみましょう。我々の手には負えないような症状であれば入院が必須です。万全を期すために入院を勧める場合もあるかもしれません。しかし,理由の説明もなく、ただやみくもに入院を勧めるような病院は感心しません。入院費用も無視できない金額になりますので,注意をしておく必要があります。
 入院のメリットとデメリットを総合的にとらえ,判断することをお勧めします。 病院の先生と十分に相談すればよいでしょう。


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